マッチング オプション

マッチングのオプションを使って、マッチングの制約、代替、および複数マッチの設定を調整して、マッチングの精度を必要なレベルに設定することができます。マッチングの条件を厳格にするには、家番号、ストリート名、および郵便番号が正確に一致することを必須とし、郵便番号セントロイドによる代替を無効に設定します。ジオコーダは、入力住所の郵便番号に正確に一致するストリート住所を検索します。条件を緩めると、範囲を広げてマッチングする住所を探します。例えば、郵便番号に関する条件を緩和すると、ジオコーダは入力住所の郵便番号の範囲外となる同じ市内にも候補を検索します。

マッチング率と精度の兼ね合いに関するガイドラインについては、マッチ率と精度のバランスをとるを参照してください。

表 1. オーストラリアのマッチング オプション

パラメータ

説明

KeepMultimatch

住所がデータベース内の複数の候補に一致する場合に結果を返すかどうかを指定します。このオプションを選択しない場合、複数の候補に一致する住所のジオコーディングは失敗します。

このオプションを選択する場合は、返す候補の最大数を指定します。

Y
複数の候補が見つかった場合に候補を返します。こちらがデフォルトです。
N
候補を返しません。複数の候補が見つかる住所のジオコーディングは失敗します。

MaxCandidates

KeepMultimatch=Y を指定した場合、返す候補の最大数をこのオプションで指定します。デフォルト値は 1 です。

CloseMatchesOnly

近似一致候補であるジオコード結果のみを返すかどうかを指定します。例えば、10 個の候補があり、そのうちの 2 個が近似一致である場合、このオプションを有効にすると、10 個全部ではなく 2 個の近似一致のみが候補として返されます。近似一致と見なす条件を指定するには、MustMatch オプションを使います。住所候補は、これらの優先設定に入力住所がどの程度近いかによってランク付けされます。

Y
近似一致のみを返します。
N
近似一致のみを返しません。こちらがデフォルトです。

MatchMode

候補が近似一致かどうかを判断する方法を指定します。次のいずれかです。

CustomMode
このオプションを使うと、候補住所のどの部分が入力住所に一致するときに近似一致と見なすかを指定できます。[MustMatch<要素>] オプションを使用して目的の住所要素を指定します。この値がデフォルトです。
RelaxedMode
すべての候補が近似と見なされます。

MustMatchInput

空白ではないすべての入力フィールドに一致する候補を近似一致と見なすかどうかを指定します。例えば、入力住所に都市名と郵便番号が含まれる場合、この住所の候補が近似一致と見なされるには都市名と郵便番号が一致する必要があります。

Y
候補が近似一致と見なされるにはすべての入力が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるためにすべての入力が一致する必要はありません。こちらがデフォルトです。

MustMatchHouseNumber

候補が近似一致と見なされるには家番号が一致する必要があるかどうかを指定します。

このオプションを選択する場合は、ストリート名に正確に一致することも条件に指定する必要があります。このオプションを選択しても、パフォーマンスに顕著な影響はありません。ただし、候補の住所が、範囲を含まないセグメントに相当する場合、一致のタイプに影響します。一致のタイプは、候補の家番号範囲に入力家番号が含まれない場合にも影響を受けます。

Y
候補が近似一致と見なされるには家番号が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために家番号が一致する必要はありません。

MustMatchStreet

候補が近似一致と見なされるにはストリート名が一致する必要があるかどうかを指定します。

近似一致が見つかると、ジオコーダはストリート名の拡張を試みて、入力住所と読みが似ている名前やスペルが誤っている名前に一致する候補を探します。この処理はパフォーマンスに影響しますが、マッチ率は向上します。ジオコーディング データベースにインデックスが作成されていると、パフォーマンスへの影響は緩和されます。

Y
候補が近似一致と見なされるにはストリート名が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるためにストリート名が一致する必要はありません。

MustMatchLocality

このオプションはこの国では使用されません。

MustMatchCity

候補が近似一致と見なされるには都市が一致する必要があるかどうかを指定します。都市の一致を必須としない場合、ジオコーダは特定の郵便番号に一致するストリート住所を検索し、名前は一致しないが郵便番号が一致する他の都市を候補として検討します。

Y
候補が近似一致と見なされるには都市が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために都市が一致する必要はありません。

MustMatchCounty

候補が近似一致と見なされるには地方自治体 (LGA) が一致する必要があるかどうかを指定します。

Y
候補が近似一致と見なされるには郡が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために郡が一致する必要はありません。

MustMatchStateProvince

候補が近似一致と見なされるには州 (state) が一致する必要があるかどうかを指定します。

Y
候補が近似一致と見なされるには州または省が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために州または省が一致する必要はありません。

MustMatchPostalCode

候補が近似一致と見なされるには郵便番号が一致する必要があるかどうかを指定します。郵便番号の完全一致を必要としない場合、ジオコーダはより広いエリアでマッチを検索します。マッチ候補との比較の際に完全に一致する必要がないため、結果としてパフォーマンスは低下しますが、マッチ率は向上します。

Y
候補が近似一致と見なされるには郵便番号が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために郵便番号が一致する必要はありません。

PreferPostalCodeOverCity

郵便番号およびストリート名は完全一致でも都市名が一致しないときに近似一致を返すかどうかを指定します。このオプションをオンにすると、郵便番号およびストリート住所が完全一致した場合、[都市] フィールドが無視されます。このオプションをオンにしないと、入力のストリート住所および郵便番号が完全一致しても都市名が一致しないような状況で、近似一致が返されません。

例えば、このオプションがオンでないとき、次の入力住所では近似一致が返されません。

5 East St GLENROY VIC 3046

このオプションがオンのときは、この同じ入力住所で次の近似一致が返されます。

5 EAST ST
HADFIELD VIC 3046

次のいずれかです。

Y
郵便番号およびストリート住所が完全一致のとき、近似一致を返し、入力の都市名を無視します。
N
郵便番号およびストリート住所が完全一致でも都市名が一致しないとき、近似一致を返しません。こちらがデフォルトです。