マッチング オプション

マッチングのオプションを使って、マッチングの制約、代替、および複数マッチの設定を調整して、マッチングの精度を必要なレベルに設定することができます。マッチングの条件を厳格にするには、家番号、ストリート名、および郵便番号が正確に一致することを必須とし、郵便番号セントロイドによる代替を無効に設定します。ジオコーダは、入力住所の郵便番号に正確に一致するストリート住所を検索します。条件を緩めると、範囲を広げてマッチングする住所を探します。例えば、郵便番号に関する条件を緩和すると、ジオコーダは入力住所の郵便番号の範囲外となる同じ市内にも候補を検索します。

注: EGM モジュールにより管理タスクが Web ベースの Management Console に移行されると、オプションのレベルで、Enterprise Designer と異なる表現が使用される場合があります。動作の変更はありません。
表 1. モンテネグロマッチング オプション

optionName

説明

KeepMultimatch

住所がデータベース内の複数の候補に一致する場合に結果を返すかどうかを指定します。このオプションを選択しない場合、複数の候補に一致する住所のジオコーディングは失敗します。

このオプションを選択する場合は、MaxCandidates オプション (下記を参照) を使用して返す候補の最大数を指定します。

Y
複数の候補が見つかった場合に候補を返します。こちらがデフォルトです。
N
候補を返しません。複数の候補が見つかる住所のジオコーディングは失敗します。

MaxCandidates

KeepMultimatch=Y を指定した場合、返す候補の最大数をこのオプションで指定します。デフォルト値は 1 です。-1 を指定するとすべての候補が返されます。

ReturnRanges

住所の範囲情報を返すかどうかを指定します。このオプションを有効にすると、出力フィールドレンジ が出力に含まれます。

範囲とは、同じストリートセグメントに沿って並ぶ複数の住所を意味します。例えば、5400-5499 Main St.は Main St. の 5400 番台のブロックにある住所を表す住所範囲です。範囲は、セグメント内の奇数または偶数だけ、あるいは奇数と偶数の両方の住所を表すことがあります。また、範囲は複数のユニットがあるアパートメントのような単一の建物を表すこともあります。

Y
住所範囲情報を返します。
N
住所範囲情報を返しません。こちらがデフォルトです。

MaxRanges

範囲を返すオプションを選択した場合、このオプションは候補ごとに返す範囲の最大数を指定します。ジオコーダはセグメントあたり 1 つの候補を返しますが、そのセグメントに複数の範囲が含まれる可能性があるため、このオプションを使って候補のセグメントにある他の範囲を確認できます。

MaxRangeUnits

範囲を返すオプションを選択した場合、このオプションは範囲ごとに返すユニット (アパートやスイートなど) の最大数を指定します。

例えば、4 つのスイートを含む 65 Main St. にあるオフィス ビルのジオコーディングを行う場合、最大で 4 つのユニット (65 Suite 1、65 Suite 2、65 Suite 3、および 65 Suite 4) がその建物の範囲で返されます。ここでユニットの最大数を 2 に指定すると、4 つすべてではなく 2 つのユニットだけが返されます。

CloseMatchesOnly

近似一致候補であるジオコード結果のみを返すかどうかを指定します。例えば、10 個の候補があり、そのうちの 2 個が近似一致である場合、このオプションを有効にすると、10 個全部ではなく 2 個の近似一致のみが候補として返されます。近似一致と見なす条件を指定するには、MustMatch オプションを使います。住所候補は、これらの優先設定に入力住所がどの程度近いかによってランク付けされます。

Y
近似一致のみを返します。
N
近似一致のみを返しません。こちらがデフォルトです。

MatchMode

候補が近似一致かどうかを判断する方法を指定します。次のいずれかです。

CustomMode
このオプションを使うと、候補住所のどの部分が入力住所に一致するときに近似一致と見なすかを指定できます。[MustMatch<要素>] オプションを使用して目的の住所要素を指定します。これはほとんどの国のデフォルト値です。
RelaxedMode
すべての候補住所が近似一致と見なされます。

MustMatchInput

空白ではないすべての入力フィールドに一致する候補を近似一致と見なすかどうかを指定します。例えば、入力住所に都市名と郵便番号が含まれる場合、この住所の候補が近似一致と見なされるには都市名と郵便番号が一致する必要があります。

Y
候補が近似一致と見なされるにはすべての入力が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるためにすべての入力が一致する必要はありません。こちらがデフォルトです。

MustMatchHouseNumber

Y
候補が近似一致と見なされるには家番号が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために家番号が一致する必要はありません。

MustMatchStreet

Y
候補が近似一致と見なされるにはストリート名が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるためにストリート名が一致する必要はありません。

MustMatchLocality

Y
候補が近似一致と見なされるには地方が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために地方が一致する必要はありません。

MustMatchCity

Y
候補が近似一致と見なされるには都市が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために都市が一致する必要はありません。

MustMatchCounty

候補が近似一致と見なされるために郡 (またはそれに相当するもの) が一致する必要があるかどうかを指定します。郡 (county) の意味は国によって異なります。

次のいずれかです。

Y
候補が近似一致と見なされるには郡が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために郡が一致する必要はありません。

MustMatchStateProvince

候補が近似一致と見なされるには州 (state) または省 (province) (あるいはそれらに相当するもの) が一致する必要があるかどうかを指定します。

次のいずれかです。

Y
候補が近似一致と見なされるには州または省が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために州または省が一致する必要はありません。

MustMatchPostalCode

Y
候補が近似一致と見なされるには郵便番号が一致する必要があります。
N
候補が近似一致と見なされるために郵便番号が一致する必要はありません。

SortCandidatesUsingLocale

これは、ギリシャ、ロシア、ウクライナなど、2 つの文字セットをサポートしているすべての国 (中東の国々など) に適用されるリバース ジオコーディング オプションです。

候補が入力言語に基づいてソートされて返されるかどうかを指定します。つまり、ロシア語で入力されていればロシア文字の候補が最初に返され、英語の候補がその後から返されます。このソート方法は、辞書の順序に優先します。

Y
候補は入力言語に基づいてソートされて返されます。
N
入力言語に関係なく、辞書がデータベースに追加された順序で候補が返されます。

マッチ率と地理的精度のバランスをとる戦略を使用したいことがあります。つまり、できる限り多くのレコードに自動的にジオコーディングを行いたいが、同時に、不正確なマッチ (誤検出) の数は最小化したいという場合です。例えば、ジオコーダが次のものを検出した場合、誤検出が発生する可能性があります。

  • 入力されたストリートと読みが似ているストリート
  • 別の都市にある同じストリート (郵便番号の一致が必須でない場合)
  • 異なる家番号のあるストリート (家番号が必須でない場合)

次の設定により、マッチ率と精度との適切なバランスを実現できる場合があります。

  • CloseMatchesOnly"Y" を指定します
  • MustMatchHouseNumber — "Y" を指定します。
  • MustMatchStreet — "Y" を指定します。
  • FallbackToPostal"N" を指定します