ジオコーディング オプション

GeocodeUS Address のジオコーディング オプション

以下の表に、特定の場所の座標を決定する方法を制御するためのオプションを示します。

注: EGM モジュールにより管理タスクが Web ベースの Management Console に移行されると、オプションのレベルで、Enterprise Designer と異なる表現が使用される場合があります。動作の変更はありません。
オプション名 説明

オフセット

ストリートセグメントからのオフセット距離をフィート単位で指定します。範囲は 0 ~ 5280 です。デフォルトは 50 フィートです。

オフセット距離は、ジオコードがストリートの中央に位置付けられるのを防ぐために、ストリートレベルのジオコーディングで使われます。ストリートレベルのジオコーディングを行うと、住所が位置するストリートの中心点の緯度/経度が返されますが、これを補正するのがオフセットです。住所が指し示す建物はストリートの真上に建っているわけではないので、路上のポイントに相当する住所のジオコードが返されるのは不都合です。ジオコードは、ストリートに面して建つ建物の場所を表している必要があります。例えば、50 フィートのオフセットは、ジオコードがストリートの中心から 50 フィート離れた場所を表すことを意味します。距離は、住所のストリートセグメントから垂直方向に計算されます。また、オフセットは、ストリートをはさんで向かい合う住所が同じポイントになるのを防ぐ目的にも使われます。以下に、オフセット ポイントと元のポイントとの比較図を示します。

ストリートの座標は 1/10,000 度の精度で決定され、補間ポイントは 1/1,000,000 度の精度で決定されます。

短縮

ストリートセグメントの終点をセグメントの中央に向かって移動させる距離をフィート単位で指定します。短縮はストリートレベル マッチングで使用されます。住所ポイントが交差点やストリートの終点に近すぎる場所に位置しないようにするには、短縮設定を使用します。

範囲は 0 ~ 2147483647 です。デフォルトは 50 フィートです。

以下に、ストリートの終点と短縮された終点の比較図を示します。

ストリートセグメントの終点を短縮すると、ストリートセグメントの長さが短くなり、その結果、セグメント沿いに並んでいる住所ポイントの間隔が短くなることによって、ストリートレベル マッチングに影響があります。例えば、ストリートセグメントの長さが 1,000 フィートで、そのセグメント沿いに 10 個の住所がある場合、ストリートレベル マッチングによって各住所が 100 フィート (1,000 ÷ 10) 間隔で配置されます。短縮値を 100 フィートに設定したとすると、各ストリートセグメントの終点がストリートセグメントの中央に向かって 100 フィート移動するため、ストリートセグメントの長さは 800 フィートに短縮されます (両端で 100 フィートずつ短くなります)。すると、ストリートレベル マッチングによって住所が 80 フィート (800 ÷ 10) 間隔で配置されます。

緯度と経度のフォーマット

ジオコーダが返す緯度/経度のフォーマットを指定します。

小数度
緯度/経度を小数度フォーマットで返します。こちらがデフォルトです。例えば、90.000000-180.000000 のようになります。
Integer
緯度/経度を整数フォーマットで返します。例えば、90000000-180000000 のようになります。

座標を返す座標系

入力値のデータムをジオコーディングする際に North American Datum を使用することを決定します。データムは、あらゆるマップ、グラフ、または測量系の座標を計算するために使用される地球の数学的モデルです。

NAD27
このデータムには、アラスカ諸島やハワイは含まれません。NAD27 測量系で測量される緯度と経度は、NAD27 への参照でのみ有効で、米国外のマップには有効ではありません。
NAD83
このデータムは、地球の中心を原点とし、衛星および地上データによって定義されています。NAD83 は World Geodetic System 1984 (WGS84) と互換性があります。WGS84 は、ナビゲーションや測量に広く使用されている NAVSTAR Global Positioning System (GPS: 全地球測位システム) に関連付けられた地球基準座標系です。こちらがデフォルトです。

セントロイドの優先設定

ジオコーダが返すセントロイドのタイプを決定します。セントロイドはエリアの中心です。セントロイドの座標は、エリアを示す座標セットの平均です。

セントロイドがありません
セントロイドを返しません。住所レベルのジオコードを決定できない場合に、セントロイドを決定しようとしません。
郵便番号セントロイドを返す
郵便番号セントロイドのみを返します。このオプションを選択すると、住所レベルのジオコードは返されません。
代替セントロイド
住所レベルのジオコードを決定できない場合に、セントロイドを決定しようとします。セントロイド オプションは次のとおりです。こちらがデフォルトです。

ストリートセントロイド

住所レベルのジオコードを決定できない場合に、ストリートセントロイドを返そうとするかどうかを指定します。ストリート セントロイドを決定するため、ジオコーダは最も近い一致を探して入力 ZIP Code または都市を検索します。ストリートを見つけることができた場合は、一致したストリートセグメント沿いのジオコードを返します。

例えば、入力住所が 5000 Walnut Street, Boulder 80301 で、5000 Walnut Street がない場合、ジオコーダは ZIP Code 80301 内でその住所に最も近い一致を検索します。入力 ZIP Code がない場合は、Boulder 内で入力住所に最も近い一致を検索します。

入力住所が Walnut Street, Boulder 80301 の場合、家番号がないため、ジオコーダは入力 ZIP Code 内でストリートを検索します。デフォルトは無効です。

ストリートセントロイドのジオコードは、"C" で始まる LocationCode 出力フィールドの値で示されます。詳細については、ストリートセントロイドのロケーション コードを参照してください。

注: MatchModeCASS に設定した場合、このオプションは使用できません。

郵便番号セントロイド

住所レベルのジオコードを決定できない場合に、郵便番号セントロイドを返そうとするかどうかを指定します。デフォルトでは有効です。

郵便番号セントロイドのジオコードは、"Z" で始まる LocationCode 出力フィールドの値で示されます。詳細については、ZIP + 4 セントロイドのロケーション コードを参照してください。

注: MatchModeCASS に設定した場合、このオプションは使用できません。

地理的セントロイド

住所レベルのジオコードを決定できない場合に、都市、郡、または州セントロイドを返そうとするかどうかを指定します。ジオコーダは、入力に基づいた最も正確な地理的セントロイドを返します。例えば、入力に有効な都市と州が含まれる場合、都市セントロイドが返されます。デフォルトは無効です。

注: 有効な州が入力に含まれない場合でも、都市セントロイド レベルにジオコーディングできる主要都市が約 300 あります。

地理的セントロイドのジオコードは、"G" で始まる LocationCode 出力フィールドの値で示されます。詳細については、地理的セントロイドのロケーション コードを参照してください。

注: MatchModeCASS に設定した場合、このオプションは使用できません。

住所ポイント補間

住所の完全一致がジオコーディング データベースに見つからない場合に、住所ポイント補間を実行するかどうかを指定します。住所ポイント補間は、補間ポイントをより正確なものにする特許処理です。ストリートセグメントだけを使用するのではなく、補間処理でポイント データを使用することにより、通常のストリートセグメント補間を向上させます。デフォルトは無効です。

注: 住所ポイント補間は、ポイントレベルのジオコーディング データベースを使用する場合にのみ利用できます。補助ファイルのポイント住所を使用する場合は利用できません。

次の図に、住所ポイント補間の仕組みを示します。この例では、入力家番号は 71 です。ジオコーディング データベースには、67 と 77 の住所ポイントが含まれています。ストリートセグメントの範囲は 11 から 501 です。住所ポイント補間を利用する場合、GeocodeUSAddress は 67 と 77 のポイントを使用して、入力家番号 71 の補間を実行します。住所ポイント補間を利用しない場合、GeocodeUS Address はストリートセグメントの終点 11 と 501 を使用して補間を実行するため、結果の精度ははるかに低くなります。

中央線オフセット

ストリートの中央線座標の計算に使用されるオフセット距離 (フィート単位) です。デフォルトは 0 フィートです。

0 以外の値を指定すると、GeocodeUS Address は、指定された距離分、中央線ポイントを小区画セントロイドの方向にオフセットして、ストリートの中央線座標を計算します。



補間マッチでは、中央線オフセットを中央線から補間された住所ポイントまでの距離より大きくすることはできません。この距離より大きい中央線オフセット距離を指定した場合、オフセットは補間ポイントまでの距離に制限されます。実際は、中央線座標は補間ポイントの座標と同じになります。

APN を特定

住所の APN (Assessor's Parcel Number) を決定するかどうかを指定します。APN は、固定資産税を扱う地方当局が資産に対して割り当てる ID 番号です。APN は [APN] 出力フィールドで返されます。このフィールドは Census 出力グループに属しています。デフォルトは無効です。

注: このオプションを利用するには、Cenrus Enhanced Points データベースまたは Centrus Premium Points データベースのライセンス取得とインストールが必要です。APN データはすべての住所で利用できるわけではありません。利用可否については、ポイント データベースに付属する対象範囲マップを参照してください。

標高を特定

住所の標高を返すかどうかを指定します。標高は、指定された住所の海面上または海面下の距離です。標高は [標高] 出力フィールドで返されます。このフィールドは緯度/経度出力グループに属しています。デフォルトは無効です。

注: このオプションを利用するには、Centrus Premium Points データベースのライセンス取得とインストールが必要です。標高データはすべての住所で利用できるわけではありません。利用可否については、ポイント データベースに付属する対象範囲マップを参照してください。

通りの中央線座標を特定

通りの中央線座標情報を取得するために中央線マッチングを有効にするかどうかを指定します。デフォルトは無効です。中央線データを出力に返すには、[出力データ] ページで [中央線] チェック ボックスを選択する必要もあります。

注: 中央線マッチングを行うには、ポイントレベルのデータベースがインストールされている必要があります。

PBKey フォールバックを許可

[PBKey フォールバックを許可] を有効にすると、住所が Master Location Data (MLD) ではなく異なるデータセットと一致した場合、検索距離内の最も近い MLD ポイントの pbKey™ unique identifier が返されます。フォールバックの pbKey™ unique identifierが返された場合はそれがわかるように、返される PBKey の値の先頭文字が "P" ではなく "X" になります (例: X00001XSF1IF)。ジオコードやすべての関連データなど、住所マッチに対して返される他のすべてのフィールドには、入力住所のマッチ結果が反映されることに注意してください。フォールバックの pbKey™ unique identifierはその後、GeoEnrichment データセットの検索に使用でき、マッチに対してフォールバック場所の属性データが返されます。

注: このオプションを使用するには、Master Location Dataset をライセンスし、インストールしている必要があります。

詳細については、「 PBKey フォールバック」を参照してください。

最も近い MLD ポイントの検索距離は、[最大フォールバック距離] フィールドで設定できます。検索半径 0 ~ 5280 フィートの範囲で指定可能で、デフォルト値は 150 フィートです。

最大フォールバック距離

PBKey Fallbackオプションを有効にした場合、このフィールドで、pbKey™ unique identifier を持つ最も近い住所レコードの検索に使われる距離を設定できます。指定できるのは 0 ~ 5280 (単位: フィート) の範囲の値で、デフォルトは 150 フィートです。
注: フォワード ジオコーディングのみでサポートされます。

PBKey フォールバック

pbKey™unique identifier は、Master Location Dataset (MLD) との一致が得られた場合に返されます。このフィールドは、住所に対する永続的な識別子です。pbKey™unique identifier は、住所に属性データを追加するための Pitney Bowes GeoEnrichment データセットの検索キーとして使用できます。インストールする GeoEnrichment データセットによって、属性データには、不動産所有者、不動産、国勢調査、消費支出、顧客層、地域、消防および洪水対策、電気通信、ワイヤレス システムなどの情報が含まれる場合があります。これらのデータセットの中には、不動産所有者や不動産といったポイント位置固有のデータを返すものもあれば、山火事や洪水の発生地帯や、保険料適用区域を特定できる消防および洪水対策情報といったポリゴンベースのデータを返すものもあります。

PBKey フォールバックを使用すると、住所が Master Location Data (MLD) ではなく異なるデータセットと一致した場合、検索距離内の最も近い MLD ポイントの pbKey™unique identifier が返されます。フォールバックの pbKey™が返された場合はそれがわかるように、返される PBKey の値の先頭文字が "P" ではなく "X" になります (例: X00001XSF1IF)。ジオコードやすべての関連データなど、住所マッチに対して返される他のすべてのフィールドには、入力住所のマッチ結果が反映されることに注意してください。フォールバックの pbKey™unique identifier はその後、GeoEnrichment データセットの検索に使用でき、マッチに対してフォールバック場所の属性データが返されます。

PBKey フォールバック場所を使用して返された属性データの適合性と精度は、GeoEnrichment データの種類と、PBKey フォールバックの検索距離によって大きく左右されます。PBKey フォールバックは、ポイント固有のデータではなく、ポリゴンベースのデータを持つ GeoEnrichment データセットでの使用を意図したものです。例えば、PBKey フォールバック オプションは、Flood Risk Pro GeoEnrichment データセットを使用して指定された場所の FEMA 洪水ゾーンを特定する場合に適している可能性があります。このデータセットには、単一座標ではなくポリゴン形の領域を表すデータが含まれるためです。ただし、返されるデータの精度は、GeoEnrichment データで示される個々のポリゴン形状のサイズと性質に加え、最も近い Master Location Data ポイントの特定に使用する検索距離に大きく左右されることに注意することが重要です。検索距離は設定可能です。検索半径 0 ~ 5280 フィートの範囲で指定でき、デフォルト値は 150 フィートです。

注: このオプションを使用するには、Master Location Dataset をライセンスし、インストールしている必要があります。