サーバーのアップグレード

必要条件

  • アップグレードを実行する前に、新しいバージョンのリリース ノートに目を通してください。リリース ノートには、互換性に関する重要な情報に加えて、サポートされているアップグレード パスや、データ バックアップに関するモジュール固有の推奨事項が記載されています。
  • お使いのオペレーティング システムに対して提供されているすべての最新アップデートを適用してください。特に Java 関連の問題を修正するものは必須です。

以下の手順は、単一のSpectrum™ Technology Platformサーバーをアップグレードするためのものです。標準インストールをアップグレードする場合、または、クラスタ内の 1 つのノードをアップグレードする場合に、この手順を実行します。クラスタをアップグレードする場合は必ず、クラスタのアップグレード手順に従ってください。詳細については、クラスタのアップグレードを参照してください。

リモート サーバーを使用する場合は、メイン サーバーをアップグレードする前に、リモート サーバーをアップグレードして起動しておく必要があります。リモート サーバーをアップグレードして起動する前にメイン サーバーをアップグレードして起動すると、アップグレード後に Management Console でリモート サーバーを再作成する必要が生じます。

注: Spectrum™ Technology Platform12.0 へのアップグレードに要する時間は、平均的なインストールの場合で約 1 時間です。フロー数やトランザクション履歴が多い場合は、アップグレード プロセスに 4 ~ 6 時間かかる可能性があります。
  1. リリース通知メールに記載されているダウンロード方法に従って、更新バージョンの Spectrum™ Technology Platformをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたインストーラを、アップグレードするサーバーの一時フォルダに解凍します。
  3. サーバーをバックアップします。バックアップを作成する手順については、『管理ガイド』を参照してください。
    重要: アップグレード プロセスでエラーが発生した場合に、フローやセキュリティ設定などの設定を復旧できるように、アップグレード前にバックアップを作成することをお勧めします。
  4. 固有のデータがあるモジュールがインストールされている場合は、それらのデータをバックアップします。
    モジュール バックアップ項目
    Advanced Matching モジュール、Data Normalization モジュールおよび Universal Name モジュール SpectrumLocation/server/modules の下にある以下のサブフォルダの内容をバックアップします。
    • cdqdb
    • lucene
    • matcher
    • parser
    • searchindex
    • tables
    Data Hub モジュール Relationship Analysis Client を起動し、[管理] をクリックします。バックアップするモデルを選択し、[バックアップ] をクリックします。
    モデルのほかに、以下の 2 つのプロパティ ファイルもバックアップします。
    • server\modules\hub\hub.properties
    • server\modules\db\neo4j.properties
    Location Intelligence モジュール 名前付きリソース、データおよび構成ファイルをバックアップします。
  5. Enterprise Designer で、[表示] > [実行履歴] を選択します。[ジョブ] タブと [プロセス フロー] タブ上の合計レコード数が 1 万件を超えている場合は、アップグレードの前に、古いレコードを完全に削除し、アーカイブすることを推奨します。これによって、アップグレードにかかる時間はかなり短縮されます。例えば、ジョブ履歴のレコードが 6000 件、プロセス フロー履歴のレコードが 1 万 1000 件とすると、合計レコード数は 1 万 7000 件になります。この場合は、古い方から 7000 件のレコードを完全に削除し、合計を 1 万件に減らすことをお勧めします。[ジョブ] タブと [プロセス フロー] タブ上の合計レコード数が 1 万件未満の場合、以下の手順はスキップできます。

    バージョン 9.0 SP3 または 10.0 SP1 からアップグレードする場合は、古い履歴レコードを Management Console で手動で削除します。

    バージョン 11.0 または 11.0 SP1 からアップグレードする場合は、以下の手順で古い履歴レコードを削除します。この手順は、Management Console で手動で行うよりも速くレコードを削除できますが、バージョン 11.0 と 11.0 SP1 でしか使用できません。

    1. Web ブラウザを開いて に移動します。http://server:port/jmx-console

      説明:

      server は、Spectrum™ Technology Platform サーバーの IP アドレスまたはホスト名です。

      port は、Spectrum™ Technology Platform が使用する HTTP ポートです。デフォルト値は 8080 です。

    2. 管理者アカウントでログインします。
    3. Domain: com.pb.spectrum.platform.configの下で、com.pb.spectrum.platform.config:manager=ArchiveTransactionManager をクリックします。
    4. (オプション) 完全削除する履歴のアーカイブを保存する場合は、アーカイブを保存するパスを ArchiveDirectoryフィールドに指定し、set をクリックします。続いて、ArchiveEnabledtrue に設定して、set をクリックします。
    5. ArchiveRetainフィールドに、何日分のレコードを履歴に残すかを指定し、set をクリックします。例えば、45 と入力すると、45 日間の履歴レコードが保持され、46 日以上前のレコードは完全に削除されます。何日分のレコードが残せるかを判断するには、Enterprise Designer でジョブとプロセス フローの履歴を表示して、レコード数が 1 万件を超える時点を確認します。
    6. PurgeOperationフィールドの値は、ALL のままにします。
    7. 完全削除を実行するには、Invokeをクリックします。

    これでフローと実行履歴が完全に削除され、アップグレードする構成データベースのサイズが小さくなります。これによって、アップグレードにかかる時間が短縮されます。

  6. Spectrum™ Technology Platformサーバーを停止します。サーバーを停止するには、Windows システム トレイの Spectrum™ Technology Platformアイコンを右クリックして、[Spectrum™ を停止する] を選択します。または、 Windows の [コントロール パネル] の [サービス] を使用して、Pitney Bowes Spectrum™ Technology Platformサービスを停止できます。
  7. 次の操作に進む前に、サーバーでシャットダウンのプロセスが終了するまで待ちます。
    重要: Data Hub モジュールがインストールされている場合は、すべてのモデルが適切にシャットダウンされることを確認します。適切にシャットダウンされないモデルがあると、アップグレードしたモデルが正しく開きません。
  8. Address Now モジュールがインストールされている場合は、Windows の [コントロール パネル] の [サービス] を開いて Address Now Server サービスを停止することにより、Address Now サーバーを停止します。
  9. Global Sentry モジュールがインストールされている場合は、Windows の [コントロール パネル] の [サービス] を開いて Global Sentry Database Server サービスを停止することにより、Global Sentry データベース サーバーを停止します。
  10. Spectrum™ Technology Platformインストーラを実行してシステムをアップグレードします。
  11. プラットフォームとインストール済みのモジュールに対するすべてのアップデートを適用します。アップデートの一覧については、Pitney Bowes サポート Web サイトの「アップデートの概要」を参照してください。
注: サーバー アップグレード中にシステムに保存されたジョブまたはサブフローは、アップグレード前と同じように動作するように、エクスポーズのフラグが設定されます。アップグレード前にエクスポートされたジョブまたはサブフローはエクスポーズされません。そのため、これらのジョブまたはサブフローをシステムにインポートし直す際には、インポートしたジョブまたはサブフローを手動でエクスポーズする必要があります。

一部のモジュールでは、アップグレード後に実行が必要な操作があります。

Data Hub モジュール server/modules/hub/neo4j.propertiesファイルをエディターに開き、allow_store_upgrade プロパティをtrue に設定します。このプロパティには、意図に反する取り消し不能なストア アップグレードを防ぐ目的があります。このプロパティを "true" に設定することで、ユーザはアップグレードを進める場合の影響を理解し、その作業に入る前に必要な予防措置を講じていることを示します。

Spectrum™ Technology Platform サーバーを再起動します。サーバーによって各モデルがアップグレードされます。server/app/repository/logs/wrapper.logファイルで、エラーや警告メッセージを確認します。すべてのモデルのアップグレードが完了したら、hub.propertiesファイルに戻り、allow_store_upgrade プロパティをコメントアウトします。