インストール シナリオ

Spectrum™ Technology Platform では、お客様の組織のニーズに合わせてスケーリングできる多様なインストール シナリオをサポートしています。

標準

標準シナリオは、最も単純なインストール シナリオです。 Spectrum™ Technology Platform を 1 台のサーバーにインストールします。 データフローの設計、構成情報の格納、ジョブの実行、サービス リクエストの処理など、すべてのアクティビティはこの 1 台のサーバーによって処理されます。



リモート サーバー

リモート サーバーは、ライセンス取得済みのモジュールが多数ある場合に便利です。 リモート サーバーを使用するには、Spectrum™ Technology Platform を複数の異なるサーバーにインストールしたうえで、各サーバーに別々のモジュールをインストールします。 その後、個々のサービスをリモート サーバーのうち 1 台で実行するように設定します。 この方法には、次の利点があります。
  • パフォーマンスが向上します (特に Web サービスや API 呼び出し)。 ジョブに関しては、パフォーマンスがある程度向上する可能性はありますが、ネットワークの向こう側にあるリモート サーバーにデータを送信するのにかかる時間によってパフォーマンスの向上が相殺される可能性もあります。
  • 他のモジュールの可用性に支障をきたすことなく、個々のモジュール上でデータベースの更新を実行できます。 例えば、Universal Addressing モジュールの郵便データベースの更新が必要な場合、Universal Addressing モジュールを処理しているリモート サーバーを停止するだけで更新のインストールが可能であり、ほかのリモート サーバー上にあるその他のモジュールは使用可能な状態を維持できます。
  • 起動時間を短縮できます。 1 台のサーバー上にすべてのモジュールがある場合は、そのサーバーの起動に長い時間がかかることがあります。 それぞれのモジュールが別々のサーバー上にインストールされていると、各サーバーの起動時間が短くなります。


Cluster

クラスタ環境では、サーバーの複数のインスタンスが処理を共有します。Spectrum™ Technology Platformとのすべての通信は、ロード バランサーを通して行われます。Spectrum™ Technology Platformサーバーの URL とポートを使用する代わりに、ロード バランサーの URL とポートを使用します。フェイルオーバー冗長性と大量の高性能処理が必要な場合は、この方法を検討してください。

次の図に、クラスタ アーキテクチャの構成を示します。



この方法には、次の利点があります。

  • クラスタ内にあるノード間で処理が自動的に分散され、最適なパフォーマンスが得られます。
  • 構成の設定がノード間で自動的に同期されます。
  • あるノードが停止してもその他のノードが使用可能であれば処理要求に対処できるので、アップタイムを改善できます。
  • 新しいノードの追加が容易です。

分離された構成データベースを持つクラスタ

Spectrum™ Technology Platform サーバーのインストール時に、サーバー ソフトウェアと構成データベースの 2 つをインストールします。 このサーバーは、ジョブ、サービス リクエスト、レポート、およびログの実行を処理します。 構成データベースには、ユーザと役割、データ接続、データフロー、監査ログなどのデータが格納されます。

ごく小数のノードで構成されるクラスタの場合は、サーバーと構成データベースを同じサーバー上にまとめてインストールしても、容認できるパフォーマンスが得られます。 しかし、多数のノードで構成されるクラスタでは、ノードごとに構成データベースのコピーを持つことによってクラスタのパフォーマンスがマイナスの影響を受けます。 これは、ノード数が増えた結果として、同期の際に発生するノード間でのデータ複製が増えるためです。 また、データフローやジョブ スケジュールの編集などのアクティビティによってユーザが頻繁に構成データベースにアクセスする場合にも、パフォーマンスが低下することがあります。 これらのアクティビティは処理能力を必要とするため、ジョブの実行やサービス リクエストへの応答に使用できる CPU の処理能力が低下します。

ノード数が 4 つ以上の実装では、構成データベースを別のサーバーにインストールすることを検討してください。 これは非常に拡張性の高いインストール シナリオです。別のインスタンスの構成データベースの追加を必要せずに、ノードを追加できるからです。 例えば、5 つのノードと 3 台の構成データベース サーバーがあるとします。 さらにノードを 5 つ追加してノードの総数を 10 にしても、使用する構成データベースは 3 つのままで 10 個のノードすべてをサポートできます。

構成データベースを別のサーバーにインストールすると、次の利点が得られます。
  • ジョブ、プロセス フロー、およびサービス リクエストを実行するためのサーバーで使用できる CPU の割合が増えます。構成データベースに対する読み取りと書き込みが別のサーバーによって処理されるからです。
  • ノード間で複製される構成データの減少により、ネットワーク トラフィックを削減できます。 例えば、実行を処理するための Spectrum™ Technology Platform サーバーが 5 台あっても、リポジトリはわずか 3 つで済ませることができます。 リポジトリ数を 5 つではなく 3 つだけにすることで、データの複製を 5 台のサーバー間ではなく 3 台のサーバー間で行うだけで済みます。
  • 最も拡張性の高いインストール シナリオです。