Metadata Insights

Metadata Insights の概要

Metadata Insights を使用すると、適切な時間に収集された正確なデータに基づくビジネス分析を得るために必要な制御が可能になります。Metadata Insights を使用して、データ モデルを開発し、ソースからビジネス アプリケーションまでのデータの流れを表示し、プロファイリングによってデータの品質を評価します。この分析を活用すれば、特定のビジネスの課題を解決できるデータ リソースの特定、ビジネス全体でデータの有益性と一貫性を向上するプロセスの適合と最適化、およびデータの問題のトラブルシューティングを行うことができます。

モデリング

データに基づく洞察を得るには、組織のデータ アセットと、それらのアセットをどのようにしてビジネス上の意思決定に活用するかについて、テクニカル チームとビジネス チームの理解が一致している必要があります。テクニカル チームが、データベースの設計を理解している一方で、ビジネス チームは、対象となるビジネス オブジェクト (顧客、店舗、ベンダーなど) を理解しています。Metadata Insights は、このギャップを埋めるための手段を提供します。物理モデルと論理モデルを作成するための、視覚的に豊かで互いに独立したツールを提供することにより、データ アセットのテクニカル ビューと、対象オブジェクトのビジネス ビューの両方を作成して、両者をマッピングによってリンクできるようにします。

物理モデルは、組織のデータ アセットを有意義な方法で整理するものです。物理モデルによって、個々のテーブル、列、ビューからデータを引き出し、単一のリソースを作成することができます。このリソースは、論理モデルにデータを供給したり、プロファイリングを実行したりするために使用できます。

論理モデルは、ビジネスにおいて関心のあるオブジェクト、それらのオブジェクトの属性、およびそれらのオブジェクト間の関連性を定義するものです。例えば、顧客の論理モデルには、名前や生年月日といった属性が含まれる場合が考えられます。また、自宅住所オブジェクトへの関連性を持ち、自宅住所オブジェクトには、住所行、都市、郵便番号といった属性が含まれるかもしれません。ビジネスにおいて関心のあるオブジェクトの属性を定義したら、物理データ ソースを論理モデルの属性に対応付けることにより、属性の設定に使用する具体的なデータ アセットを指定することができます。

プロファイリング

情報に基づいてビジネス上の意思決定を行うには、高品質なデータが必要です。したがって、データの完全性、正確性、有効性が信頼できることが重要になります。不完全なレコード、形式に誤りがあるフィールド、コンテキストの欠落があると、不正確なデータや誤った結論を導くデータがビジネス ユーザに提供され、不備のある意思決定が下される要因となります。

データ プロファイリングは、データの信頼性向上に役立ちます。プロファイリングによってデータがスキャンされ、完全性、正確性、有効性に関連する問題を特定するレポートが生成されます。これらのレポートを参考に、内容や形式に誤りのあるデータを修正するための処理を行うことができます。

Metadata Insights では、データ アセットと、Metadata Insights で定義された論理モデルと物理モデルに供給されるデータにプロファイリングを実行するためのプロファイリング ツールが提供されています。この情報を利用して、データの信頼性を確認し、データ品質ルールを決定し、データ品質の問題を修正する正規化を実行することができます。

系統および影響分析 (テクノロジ プレビュー)

Spectrum チームは、系統および影響分析という主要新機能を謹んでご紹介します。このテクノロジ プレビューは、ユーザにとって非常に便利になるであろうと当社が考える、基本的な機能を含む系統および影響分析の初期実装版です。今後のリリースで重要な新機能を追加するつもりですので、皆様が求める機能を確実に追加していけるように、今回このテクノロジ プレビューを公開いたしました。皆様のご意見が、系統および影響分析の今後の進化を導きます。

系統および影響分析のご試用にあたっては、次の点にご留意ください。

  • このテクノロジ プレビューに搭載されているのは、限定された機能セットです。「こうだったらいいのに」といったご要望がございましたら、テクニカル サポートまで改善要望をお寄せください。皆様のご提案に基づいて、今後のリリースで追加する機能を決定していきたいと思います。テクニカル サポートへのお問い合わせについては、www.pitneybowes.com/us/contact-dcs.html を参照してください。
  • 最高のソフトウェアにもいくつかのバグは潜んでいます。バグを発見した場合は、バグ レポートをテクニカル サポートにご提出ください。これはテクノロジ プレビューですので、ご報告いただいた問題を直ちに解決するとお約束することはできません。テクニカル サポートへのお問い合わせについては、www.pitneybowes.com/us/contact-dcs.html を参照してください。
  • このテクノロジ プレビューは、実稼働環境でご使用いただけます。ただし、テクノロジ プレビューに対して通常のサービス品質保証 (SLA) を順守することはできませんのでご了承ください。
  • 系統および影響分析の次期リリースに劇的な影響を与える、予想外で興味深いご意見が寄せられることを期待しています。そのため、系統および影響分析を使用して皆様が行う作業のすべてが、今後のバージョンにアップグレードしたときにも維持されると保証することはできません。
  • このテクノロジ プレビューによって得られた洞察に基づくビジネス上の意思決定は、皆様のご判断で行ってください。テクノロジ プレビューの機能に対して、通常のサービス品質保証 (SLA) を順守することはできません。

系統および影響分析のご試用が皆様にとって有意義なものとなれば幸いです。また、皆様からの貴重なご意見を心よりお待ちしております。

系統および影響分析とはデータ ソースからデータ デスティネーションまでのSpectrum™ Technology Platformフローを通過するデータの流れを表示する、Metadata Insights アプリケーションのビューです。統計と影響分析は、共通点の多い概念で、どちらもデータのフローをトレースして表現しますが、その手法は異なります。

系統は、データがどこから取得されたのかを示します。ソースまでさかのぼってデータのパスをトレースし、その間にデータを処理し、保存したすべてのシステム (Spectrum™ Technology Platformフロー、データベース、ファイルなど) を表示します。

影響分析は、データが到達した場所と、選択されたデータ ソースにデータを依存するシステムを表示します。この機能は、データ リソースを直接または間接に利用するフロー、データベース、またはファイルを表示するために使用できます。影響分析に着目するのは、データベース、ファイル、またはフローへの変更が、データを利用するプロセスとシステムにどう影響するのかを知りたい場合に便利です。

Metadata Insights は、系統と影響分析を 1 つの図に表示し、データのフローを最初から最後まで完全に示すことができます。系統のみ、または影響のみを表示するように選択することもできます。データ系統と影響分析を合わせて見ると、データ プロセスにある問題点をピンポイントで特定し、データ プロセスのアップグレードや手直しを検討することができます。



このリリースでは、以下のエンティティに対する系統および影響分析の実行がサポートされています。
  • フローに関連するエンティティ:
    • アクティビティ
    • データフロー
    • プロセス フロー
    • レポート テンプレート (特定のレポート テンプレートを含むフローは表示できますが、生成されたレポートは表示できません)
    • ステージ (サブフローを含む)
  • モデリングに関連するエンティティ:
    • 物理モデル
    • 論理モデル
    • モデル ストア
  • データに関連するエンティティ:
    • Read from DB および Write to DB によって使用される接続
    • Read from DB および Write to DB によって参照されるテーブル
    • Read from DB および Write to DB から参照されるファイル
  • システムに関連するエンティティ:
    • リモート サーバー
    • デフォルト サービス オプション
    • Spectrum のデータベース

今後のリリースでは、さらに多くのエンティティのサポートを追加する予定です。