リスク解析スコアについて

これらの各入力に対しては、入力の有無と Global Sentry データベース内に一致するレコードがあるかどうかに応じて、リスク解析処理が一定のポイント値を割り当てます。リスク解析スコアは、これらのポイント値の合計です。ポイントがどのように割り当てられるかを次の表に示します。

表 1. リスク解析のスコアリング方法

入力

入力データなし

一致あり

一致なし

名前

0

4

0

住所

1

2

0

ID

1

2

0

出生日

1

2

0

出生地

1

2

0

市民権

1

2

0

国籍

1

2

0

一般に、データベースと一致した各入力には 2 ポイントが割り当てられます。ただし、名前は例外です。名前の一致は 4 ポイントとカウントされます。名前スコアの加重が高いのは、OFAC などの情報源から得られる指針に従っているからで、そこでは名前の一致はその他の種類の一致よりもより重要であるとされています。

一方、入力があっても、データベースのどのエントリとも一致しない場合、割り当てられるポイントは 0 で、総合リスク水準には影響しません。これは、名前の一致があっても、その他の相当量のデータがデータベース内のエントリと一致しなければ、その一致を特定リストとの照合による "ヒット" とは見なすべきでないという指針に従うものです。

データのない入力に 1 ポイントが設定されています。これには、1 つ以上の入力がデータベースと一致する一方で、マッチングに使用できる入力が一部欠けているようなトランザクションを、よりリスクが高いトランザクションであると見なす効果があります。このタイプのトランザクションについては、データが欠けているが故に真のリスク水準を正確に計算できません。OFAC などの機関から得られる指針によれば、こうしたケースではトランザクションに関係するリスクのより正確な評価を与えるために、欠けているデータの入手に努力することになっています。

スコアが高ければそれだけトランザクションのリスクも大きくなりますが、リスク水準だけで必ずしも適切なアクションを決定できるわけではありません。これはスコアが同じでも、一致あり、一致なし、データなしの入力について、さまざまな組み合わせが考えられるからです。禁止措置の妥当性を判断する補足的な情報を提供するために、Global Sentry サービスはマッチングで使われる 7 つの入力のそれぞれについて、さらに 2 つの指標を返します。これらは入力のデータの有無と、データベースの一致の有無を示します。これで、リスク範囲の中程にあるトランザクションに対して追加的な解析を行うことにより、ブラックリストの管理当局にトランザクションを報告する、正確なリスク評価のために追加的な入力データが必要とのマークをトランザクションに付ける、トランザクションを承認する、または、その他の何らかのアクションを行うなど、どの対処が妥当かを判断できます。