データのベスト プラクティス

ここでは、マップのレンダリング時間を最適化するための推奨事項を示します。

レコード数が多いデータにズーム レイヤを設定する

10,000 以上のジオメトリを含むマップ イメージは、レンダリングが特に遅くなります。大量のデータを表示することは、Spectrum Spatial がテーブルまたはデータベースから多数のジオメトリを取得してマップ上にレンダリングする必要があるため、計算処理の負荷が高くなります。また、ジオメトリをそれだけ大量に含むマップは、ベース マップが明瞭に表示されない状態になり、マップの表示が乱れます。

名前付きマップを Spectrum Spatial にアップロードする前に、適切なズーム レイヤ設定を MapInfo Pro のレイヤに適用することを推奨します。MapInfo Pro で該当するデータを開き、マップ ウィンドウが Spectrum Spatial™ Analyst のマップ タイルと同じサイズになるようにします (約 512 x 512 ピクセル。完全に一致する必要はありません)。レイヤが最も高密度の場所で約 1 万レコード (ポリゴン/直線の場合) または約 2.5 万レコード (ポイントの場合) を超えないようにズーム インします。ズーム レイヤ設定は、レイヤがそのレベルよりも下のレベルでのみ表示されるように追加します。

情報を表示するための代替手段を提供する

データ密度の分布パターンを把握することが役立つ場合もあります。例えば、10 万件の顧客レコードがある場合、それらすべてを表示することで分布を見ることができます。ただし、10 万件のレコードを表示するマップをレンダリングすることは効率的ではありません。

代替として、密度を表示する別のレイヤを作成することができます (例えば、市区町村別またはその他の地域別の主題図、またはグリッド マップ)。これらの方法を使用すると、データ密度をより効率的に表示することができます。元の顧客レイヤもユーザがズーム インしたときに有効にすることができ、必要に応じて個別の顧客のレコードを取得することができます。

複雑なジオメトリ

ジオメトリの中には、1 万以上のノードを持つものがあります。洪水境界はそのようなデータセットの典型であり、40 万ノード以上からなるポリゴンを持つデータセットもあります。マップをレンダリングするとき、ズーム インしたとしても、マップ ビューの中に複雑なフィーチャーが存在すると、すべてのノードが Spectrum Spatial に戻されます。

ジオメトリを間引くか、分割することをお勧めします。

複雑なジオメトリを間引く

詳細レベルが不要な場合は、MapInfo Pro を使用してアップロード前に複雑なジオメトリを間引くことを推奨します。例えば、それぞれが 10 万のノードで構成される複数のリージョンの詳細なポリゴン境界がデータに含まれる場合、データを間引くとマップのレンダリング時間が大幅に短縮されます。この例で国のリージョンが主題図として、例えばフランスの県のマップのように表示される場合、データを間引いてリージョンを 1,000 ノードに減らしてもマップの精度には影響しません。

複雑なジオメトリを分割する

詳細なレベルで表示する必要がある場合は、 MapInfo Pro を使用して複雑なジオメトリを複数の小さなジオメトリに分割してからそれらをアップロードすることを推奨します。データや分析の種類にもよりますが、3 ~ 5 万ノードが含まれるジオメトリ レコードは分割でメリットを得られます。例えば、プロパティ レベルで表示する洪水地帯の境界を分析する場合がこれに該当します。MapInfo Pro で多数のレコードを分割するには、グリッドを作成し、そのグリッドを使用してデータを分割する方法があります。