マッチング

マッチング カテゴリ内のオプションを使用してマッチ条件および制約を設定できます。これにより、マッチングを必要に応じて厳しいものにしたり緩いものにしたりできます。以降のセクションでは、マッチングのグローバル デフォルト オプション (すべての国で使用できます) と国固有のマッチング オプション (一部の国にのみ適用されます) について説明します。

Management Console でのグローバル デフォルト値の設定手順については、Management Console でのグローバル デフォルトの設定を参照してください。

Enterprise Designer でのグローバル デフォルト値の設定手順については、Enterprise Designer でのグローバル デフォルトの設定を参照してください。

Management Console では、国単位で、マッチングのグローバル デフォルトにオーバーライドを追加できます。オーバーライドを設定して有効にすると、Global Geocoding ステージを使用するすべてのデータフローに適用されます。この機能は、Enterprise Designer ではサポートされていません。詳細については、国オーバーライドの設定を参照してください。

マッチング オプション

オプション名 国のサポート 説明
マッチ モード すべて マッチ モードにより、入力住所と参照データとの間のマッチングに適用される柔軟性が決まります。入力と求める出力の品質に応じて、マッチ モードを選択します。以下のマッチ モードがあります。
標準
近似一致が求められ、適度な数の一致候補が生成されます。こちらがデフォルトです。
完全一致
非常に厳格な一致を要求します。一致候補の数が最小となる制限の厳しいモードです。処理時間は短くなります。このモードを使用する際には、入力に綴りの間違いや不完全な住所などの問題がないことを確認してください。
緩和
あいまいな一致を許し、生成される一致候補数は最も多くなります。処理時間は長くなりますが、結果としてより多くの一致が得られます。入力に綴りの間違いや不完全な住所などの問題がないと確信できない場合は、このモードを使用します。
カスタム
[カスタム モードの必須一致フィールド] の設定により、マッチング条件を定義できます。
USA 米国には次の追加マッチ モードがあります。これらは、グローバル デフォルト オプションが上記のマッチ モードのいずれかに設定されている場合でもオプションとして使用できます。
対話型
単一行住所マッチングに対してのみ使用可能です。このモードは、インタラクティブ マッチングにおける特定のマッチング問題に適切に対処することを目的に設計されています。インタラクティブ モードでは、より柔軟なマッチング パターンが可能で、緩和検索モードよりも多くの一致候補が返される場合もあります。詳細については、以下のインタラクティブ マッチ モードを参照してください。
CASS
USPS CASS 規格を確実に遵守するために追加ルールを適用します。このマッチ モードの目的は、USPS の料金割引を受けるために、配達可能な住所を作成することです。郵送用に入力を正規化する場合にこのモードを使用します。このモードでは、多数の一致候補が生成されます。詳細については、以下の「CASS マッチ モード」を参照してください。
カスタム モードの必須一致フィールド すべて これらのオプションは、マッチ候補を決定するためのマッチ条件を設定します。これらのオプションを有効にするには、[マッチ モード][カスタム] に設定する必要があります。デフォルトでは、これらのオプションは無効です。
注: 米国の場合、カスタム モードの必須一致フィールドは、単一行処理に使用できません。

Management Console では、これらのオプションに国固有のオーバーライドを作成できます。これは、[マッチ モード] オーバーライドが [カスタム] に設定された国のみに作成できます。

住所番号
入力住所番号が一致する必要があります。
ストリート
入力ストリート名、タイプ、方位記号の各フィールドが一致する必要があります。
郵便番号
入力住所郵便番号が一致する必要があります。
都市/町の下位区分
入力住所の都市/町の下位区分が一致する必要があります。
注: このオプションは、米国ではサポートされていません。
都市/町
入力住所の都市/町が一致する必要があります。
州/省の下位区分
入力住所の州/省の下位区分が一致する必要があります。
注: このオプションは、米国ではサポートされていません。
州/省
入力住所の州/省が一致する必要があります。

国固有のマッチング オプション

特定の国に対して有効にすることができる追加のマッチング オプションがあります。それらはオーバーライドではなく、単純な追加のオプションです。

オプション名 国のサポート 説明
郵便番号一致を強制 AUS 都市/郊外が一致しなくても郵便番号が一致すればマッチ結果が得られます。デフォルトは無効です。
LDU 一致を強制 CAN 有効になっている場合、完全な FSA LDU 郵便番号を持たないマッチを返しません。デフォルトは無効です。
検索条件 USA

これらのオプションは、マッチング時に使用する検索の制約を設定します。これらのオプションは、入力住所に含まれる都市または郵便番号の情報が限られていたり、不正確であったりする場合にマッチを見つけるのに役立ちます。

エリア検索
注: 以下のエリア検索オプションは、CASS 一致検索モードでは無視され、デフォルト値が使用されます。
金融エリア
金融エリア全体でストリート候補を検索します。こちらがデフォルトです。
注: ZIP セントロイド マッチまたは地理的ジオコードを実行する場合、このオプションの効果はありません。
City
指定された都市を検索します。
検索範囲
マッチング時に使用する半径による範囲検索を設定できます。
検索範囲 - 州内に限定
州の検索に限定できます。
半径による範囲検索
[検索範囲] オプションが選択されている場合、マッチング時に使用する半径による検索範囲をこのフィールドに入力できます。マイルまたはキロメートルのどちらかを選択できます。設定できる最大半径は 99 マイル/159 キロメートルです。デフォルトの半径距離は 25 メートルです。
注: CASS 一致検索モードでは無視されます。
通り名の頭文字で検索
ストリート名の最初の文字が欠落しているか正しくない場合に適切な最初の文字を探すかどうかを指定します。このオプションが選択されている場合、Global Geocoding モジュールは、アルファベット全体から適切な最初の文字を探し出してストリート住所を補完します。デフォルトは無効です。
注: 完全一致検索モードでは無視されます。
最初の文字の欠落/誤りを確認
不正な先頭文字 (欠落や誤りなど) に対する追加処理を有効にします。デフォルトは無効です。
注: 完全一致検索モードでは無視されます。
入力の競合 USA
都市よりも郵便番号を優先
入力 ZIP Code (郵便番号) とのマッチングを、入力都市とのマッチングよりも優先します。デフォルトは無効です。
注: CASS モードまたはインタラクティブ マッチ モードでは無視されます。インタラクティブ マッチ モードでは、この設定に関係なく、最良の住所を返すことが試みられます。
通り住所よりも PO Box を優先
ストリート住所と PO Box の両方が入力住所の中に存在する場合に、PO Box を使用してマッチングが行われます。デフォルトは無効です。
注: CASS 一致検索モードでは無視されます。
企業名検索
ストリート マッチのみを検索するか、ストリート優先または企業優先で検索するかという、検索の優先順位を指定します。
無効
企業名のマッチングを使用しません。こちらがデフォルトです。
ストリートのみをマッチング
住所行に対するマッチングを行います。
ストリート マッチの優先を試みる
住所行に対するマッチングを行います。マッチが得られない場合は、場所の名前に対するマッチングを行います。
企業マッチの優先を試みる
場所の名前行に対するマッチングを行います。マッチが得られない場合は、住所行に対するマッチングを行います。
注: CASS 一致検索モードでは無視されます。
検索オプション USA
住所行で建物検索
スイート番号もユニット番号もない建物名が入力住所に含まれている場合に、ストリート住所の取得を試みます。
このオプションが無効になっている場合、Global Geocoding は、ユニット番号が入力された場合のみ、建物名とのマッチングを実行できます。デフォルトは無効です。
注: CASS 一致検索モードでは無視されます。
住所範囲を示す番号を許可
一部の事業拠点は、住所範囲によって識別されます。例えば、ショッピング プラザの住所が 10-12 Front St. となる場合があります。一般的に、ビジネス郵便の宛先にはこのような事業拠点が指定されます。このような住所範囲は、補間された範囲の中間点にジオコーディングすることができます。デフォルトは無効です。
注: 完全一致モードまたは CASS モードでは無視されます (住所範囲が実際の配達可能な USPS® 住所ではないため)。
通り位置検索
自動的な代替ジオコーディングとしてストリート セグメント ジオコードを返すかどうかを指定します。デフォルトは無効です。
注: CASS 一致検索モードでは無視されます。

米国専用のマッチ モード: インタラクティブ モードと CASS モード

以降のセクションでは、米国用の 2 つの追加マッチ モードであるインタラクティブと CASS について詳しく説明します。

インタラクティブ マッチ モード (米国のみ)

インタラクティブ モードは、インタラクティブなモバイル/Web アプリケーション向けに設計されています。この使用事例においてユーザは、綴りに誤りがあったり、不正確であったり、情報が欠落した単一行住所を入力する場合があります。そのため、この入力の処理には、他のマッチ モードよりも緩いマッチング条件が適用されます。その結果、複数の一致候補が返される可能性があります。一致候補のリストをユーザに提示し、適切な候補を選択してもらうことができます。完全一致が見つかった場合は、それが単一の一致候補として返されます。正確な結果と不正確な結果が混ざって提示されることはありません。

インタラクティブ マッチ モードの機能と制約は、次のとおりです。
  • インタラクティブ マッチ モードは、単一行住所の処理でのみ使用できます。マッチ モードが [インタラクティブ] に設定されている場合に単一行以外の住所を処理しようとすると、マッチ モードが一時的に [緩和] に変更され、住所は緩和モードで処理されます。マッチング処理が完了すると、マッチ モードは自動的に [インタラクティブ] に戻ります。
  • インタラクティブ マッチ モードを使用することで、ユーザは基本的な規則を回避できます。ユーザの入力が "123 S Main" で、"123 N Main" しか存在しない場合、方位記号が変更されたことを示すマッチ コードとともにマッチ結果が返されます。
  • インタラクティブ マッチ モードでは、ユーザが前置方位記号と後置方位記号の位置を入れ換えて入力するケースが、ペナルティなしで処理されます。
  • インタラクティブ マッチ モードでは、[都市よりも郵便番号を優先] 設定が無視されます。都市名と ZIP Code が正しく一致しない場合は、入力住所のすべての要素を分析した結果に基づいて、最良のジオコーディング結果を返します。
  • インタラクティブ モードでの操作時に、ポイント住所や補間されたストリート住所の結果が特定できない場合は、使用可能な ZIP-9、ZIP-7、または ZIP-5 のセントロイドが返される可能性があります。

CASS マッチ モード (米国のみ)

CASS マッチ モードでは、USPS CASS 規格を確実に遵守するための追加ルールが適用されます。このマッチ モードの目的は、USPS の料金割引を受けるために、配達可能な住所を作成することです。郵送用に入力を正規化する場合にこのモードを使用します。このモードでは、多数の一致候補が生成されます。

CASS マッチ モードの処理には、他のモードとの違いがあります。このモードでは、交差点、建物名、および空間エイリアス (TIGER、TomTom、および NAVTEQ のストリート名エイリアス) またはユーザ辞書に対するマッチングを実行しません。USPS に該当レコードがないデータ ソースの候補とのマッチングも行われません。このモードでは、同じ住所行にある 2 つのユニット番号 (建物番号とユニット番号など) を認識およびパースします。