分離されたデータベースと Data Hub モジュールがあるクラスタのアップグレード

必要条件

  • アップグレードを実行する前に、新しいバージョンのリリース ノートに目を通してください。リリース ノートには、互換性に関する重要な情報に加えて、サポートされているアップグレード パスや、データ バックアップに関するモジュール固有の推奨事項が記載されています。
  • お使いのオペレーティング システムに対して提供されているすべての最新アップデートを適用してください。特に Java 関連の問題を修正するものは必須です。

この手順では、構成データベースをサーバーから分離し、Data Hub モジュールをインストールした場合にSpectrum™ Technology Platformをアップグレードする方法を説明します。アップグレードのプロセスは、以下の手順で構成されています。

  1. サーバー クラスタを停止します。
  2. 構成データベース クラスタを停止します。
  3. 構成データベース クラスタで最後に停止したノードをアップグレードします。
  4. 構成データベース クラスタで残りのノードをアップグレードします。
  5. サーバー クラスタで Data Hub モジュール マスタとして動作するサーバーをアップグレードします。
  6. サーバー クラスタ内のマスタではない各サーバーをアップグレードします。

構成データベースが分離されていて、Data Hub モジュールを使用するクラスタをアップグレードするには、次の手順に従います。

  1. サーバーをバックアップします。バックアップを作成する手順については、『管理ガイド』を参照してください。
    重要: アップグレード プロセスでエラーが発生した場合に、フローやセキュリティ設定などの設定を復旧できるように、アップグレード前にバックアップを作成することをお勧めします。
  2. Relationship Analysis Client を起動し、[管理] をクリックします。バックアップするモデルを選択し、[バックアップ] をクリックします。
    モデルのほかに、以下の 2 つのプロパティ ファイルもバックアップします。
    • server\modules\hub\hub.properties
    • server\modules\db\neo4j.properties
  3. Data Hub モジュール用のマスタ サーバーとして機能しているノードを特定します。
    1. Web ブラウザを開き、

      http://LoadBalancer:8080/jmx-console/HttpAdaptor/list

    2. neo4j.org domainが見える位置まで画面を下へスクロールします。

      モデル別にオブジェクトの一覧が表示されます。Role属性 (HighAvailability オブジェクト) は、サーバーがモデルのマスターであるかどうかを示します。

    3. モデルが 1 つ以上あり、モデルごとにマスタが異なる場合は、1 つのサーバーを全モデルのマスタとする必要があります。これを行うには、クラスタを再起動してから、ロード バランサーではなくノードの 1 つのホスト名または IP アドレスを使って Relationship Analysis Client を開きます。Relationship Analysis Client で、各モデルを指定してクエリを実行してモデルを開きます。こうすると、接続しているサーバーが、各モデルのマスタになります。
  4. サーバー クラスタ内のマスタ以外のノードをすべて停止してから、最後にマスタ サーバーを停止します。ノードはすべてを一度に停止するのではなく、1 つずつ停止してください。
    重要: Spectrum™ Technology Platformがエラーを起こさずに停止したことを確認します。サーバーが適切に停止しないと、そのサーバー上の Data Hub モジュールは、アップグレード後に正常に開きません。Spectrum™ Technology Platformが適切に停止したことを確認するには、SpectrumDirectory\server\app\repository\logs\wrapper.log ファイルを開いて、シャットダウン中にエラーがなかったか調べます。
  5. 構成データベース クラスタで残りのノードをすべて停止します。構成データベース クラスタで最後に停止したノードをメモしておきます。アップグレード後に、そのノードを最初に起動する必要があります。
  6. 構成データベース内の、シャットダウンする最後のノード上で、installdb.exe を実行します。インストーラによって構成データベースがアップグレードされます。
    警告: 最初にアップグレードするノードは、最後に停止したノードでなければなりません。一部のオペレーティング システムでは、構成データベースがアップグレード処理の最後に自動的に起動されるからです。起動する最初のノードが最後に停止したノードでない場合、ジョブ履歴、構成の設定などのデータが失われる可能性があります。最後に停止したノードがわからない場合は、各ノードの wrapper.log でシャットダウン メッセージのタイム スタンプを確認します。wrapper.log は、Spectrum Location\server\app\repository\logs\wrapper.logにあります。
  7. アップグレード処理が完了したら、サーバーが起動するのを待ってから、サーバーを停止します。

    ログ ファイル <Spectrum Installation Location>\server\app\repository\logs\wrapper.logを開いて次のメッセージを探すと、サーバーがいつ起動したかがわかります。

    INFO  [Server] Pitney Bowes Spectrum(TM) Technology Platform Database (Version version build) Started
    重要: サーバーが初めて完全に起動し終わるまでは、停止しようとしないでください。初期起動を実行する前にサーバーを停止すると、そのインストールが使用できなくなることがあります。
  8. データベース クラスタのクラスタ構成を設定します。
    1. ファイル server/app/conf/spectrum-container.properties構成データベース クラスタのクラスタ プロパティに記載されているとおりに編集します。
    2. spectrum-container.propertiesファイルを保存して閉じます。
    3. 構成データベースで最後に停止したノードを起動します。構成データベースを起動するには、Windows システム トレイの Spectrum™ Technology Platform アイコンを右クリックして [Spectrum™ を起動する] を選択します。また、Windows サービスのコントロール パネルを使用し、[Spectrum Database] サービスの開始によって構成データベースを起動することもできます。
      警告: 最後に停止したノードを最初に起動する必要があります。また、このノードがシード ノードである必要もあります。別のノードを最初に起動すると、ジョブ履歴や構成設定などのデータが失われる恐れがあります。最後に停止したノードがわからない場合は、各ノードの wrapper.log でシャットダウン メッセージのタイム スタンプを確認します。wrapper.log は、Spectrum Location\server\app\repository\logs\wrapper.logにあります。
    4. アップグレードされた構成データベースが完全に起動した後、先ほどのステップを繰り返して、構成データベース内の残りの各サーバーのアップグレードと起動を行います。
  9. サーバー クラスタで Data Hub モジュール マスタ サーバーをアップグレードします。
    1. Spectrum™ Technology Platform10.0 以降からアップグレードしている場合は、各モデル ディレクトリにversion.data ファイルが格納されている必要があります。すべてのmodel.ModelNameサブディレクトリ (SpectrumDirectory/server/modules/hub/db 下) を開いて、version.data ファイルがあることを確認します。このファイルがないモデル ディレクトリが見つかった場合は、マスタ以外のノードの 1 つから version.dataファイルをコピーします。
    2. Spectrum™ Technology Platformインストーラを実行して、マスタ サーバーを Spectrum™ Technology Platform の新しいバージョンにアップグレードします。
    3. アップグレード プロセスの完了後、Spectrum™ Technology Platformサーバーは自動的に再起動します。完全に起動するのを待ってから、サーバーを停止します。
    4. SpectrumFolder\server\modules\hub\hub.propertiesファイルをエディターに開き、hub.neo4j.database.type プロパティが embedded に設定されていることを確認します。
      hub.neo4j.database.type=embedded
    5. SpectrumFolder\server\modules\hub\db\neo4j.propertiesファイルをエディターに開き、allow_store_upgrade プロパティを true に設定します。
      allow_store_upgrade=true
    6. Spectrum™ Technology Platformサーバーを開始します。
    7. 各モデルを Relationship Analysis Client で開き、クエリを実行します。任意のクエリでかまいません。
    8. Spectrum™ Technology Platformサーバーを停止します。
    9. SpectrumFolder\server\modules\hub\hub.propertiesファイルをエディターに開き、hub.neo4j.database.type プロパティを ha に設定します。
      hub.neo4j.database.type=ha
    10. バックアップしたプロパティ ファイルと、インストールされたファイルを比較して、必要な変更があれば適用します。新しいファイルを古いファイルで上書きしないでください。新しいファイルには、古いファイルにはないプロパティが含まれている可能性があるためです。
  10. サーバー クラスタで Data Hub モジュール マスタ以外のサーバーをアップグレードします。
    重要: 各サーバーをインストールする際には、インストーラの [サーバーのみ] オプションを選択して、1 つ以上の構成データベース サーバーのホストとポートを指定します。ポートは、ファイルInstallationLocation\Database\repository\spectrum-container.propertiesで確認できます。ポートは、spectrum.repository.server.connector.bolt.port プロパティで指定されます。
    1. SpectrumDirectory\server\modules\hub\dbディレクトリでモデルを削除します。
      警告: マスター サーバーからはモデルを削除しないでください。
    2. マスタ以外のサーバーの 1 つで、Spectrum™ Technology Platformインストーラを実行して Spectrum™ Technology Platform の新しいバージョンにアップグレードします。
    3. アップグレード プロセスの完了後、Spectrum™ Technology Platformサーバーは自動的に再起動します。完全に起動するのを待ってから、サーバーを停止します。
    4. SpectrumFolder\server\modules\hub\hub.propertiesファイルをエディターに開き、hub.neo4j.database.type プロパティを ha に設定します。
      hub.neo4j.database.type=ha
    5. バックアップしたプロパティ ファイルと、インストールされたファイルを比較して、必要な変更があれば適用します。新しいファイルを古いファイルで上書きしないでください。新しいファイルには、古いファイルにはないプロパティが含まれている可能性があるためです。
    6. SpectrumFolder\server\modules\hub\db\model.*ディレクトリをマスタ サーバーからマスタ以外のサーバーにコピーします。
    7. クラスタ内のマスタ以外の各サーバーについて、この手順を繰り返します。
  11. クラスタを起動します。
    1. マスター サーバーを起動してから、マスター以外のサーバーを起動します。
    2. クラスタの各サーバーが機能していることを確認します。SpectrumFolder\server\app\repository\wrapper.logで、エラーがないか確認します。
    3. (ロード バランサーをバイパスして) マスター サーバーに直接接続して、各モデルを 1 つずつ開き、wrapper.logファイルを調べてエラーを確認します。