SAP HANA

Spectrum Spatial は、SAP HANA を読み取り/書き込み用データ ソースとしてサポートします。

サポートされるデータ タイプ

SAP HANA データ ソース データ プロバイダは、非空間 JDBC タイプを Spectrum Spatial のタイプ システムにマップするとき、JDBC データ ソース プロバイダと同じルールに従います。

SAP HANA のデータ タイプ ST_GEOMETRY および ST_POINT は空間データであり、Spectrum Spatial でサポートされるデータ タイプの Point、LineString、Polygon、MultiPoint、MultiLineString、MultiPolygon、および GeometryCollection と同等です。

空間データは、いくつかの手順を実行して決定します。最初の手順は、MAPINFO スキーマの MAPINFO_MAPCATALOG テーブルを調べて、テーブル内のジオメトリ列を識別するエントリが存在するかどうかを確認します。テーブルが X/Y テーブルと識別された場合は、X および Y 列と識別された 2 つの列が MAPINFO_MAPCATALOG で指定された座標系を持つ Spatial テーブルのジオメトリ列へと統合されます。MAPINFO_MAPCATALOG が存在しないか、開くテーブルにエントリがない場合、USER_SDO_GEOM_METADATA で空間列の名前および SRID が調べられます。

SAP HANA のデータへのアクセス

SAP HANA 用のデータ アップロードは、IMPORT ステートメントなど、HANA のネイティブ機能によって行われます。通常は、このインポート用ステートメントを CSV で使用し、ジオメトリの OGC Well-Known Text 表現を使用します。

SAP HANA に空間列を持つテーブルを作成するには、次の例を参考にしてください。

create column table "MySchema"."MyTable" (
  "MyColumn1" VARCHAR(50),
  "MyColumn2" INTEGER,
  "GEOM" ST_GEOMETRY(4326))

ST_GEOMETRY 列に対するパラメータは、空間列の座標系の SRID です。詳細については、座標系のサポートを参照してください。

Spectrum Spatial から SAP HANA データにアクセスするには、Spatial Manager を使用して名前付き接続を作成します。SAP HANA JDBC ドライバが提供されています。次の構文に従います。

jdbc:sap://<server>:<port>

ポート番号は、3<インスタンス番号>15 とする必要があります。例えば、インスタンスが 00 の場合は 30015 となります。

例: jdbc:sap://hanaServer:30015

名前付き接続が作成されると、その接続を使用する名前付きテーブルを作成できます。SAP HANA 名前付きテーブルは、その他すべてのデータ プロバイダの名前付きテーブルと同じように使用します。

Spectrum Spatial では、表示の場合を除き、SAP HANA データへのアクセスに MAPINFO_MapCatalog を必要としません。Spectrum Spatial は、表示用の座標系情報を MAPINFO_MapCatalog から読み取ります。この処理は通常のテーブルでは不要です。

プライマリ キー

Spectrum Spatial では、JDBC データ ソース プロバイダと同じルールに従って、列が読み取り専用かどうかを決定します。自動インクリメント列も、読み取り専用としてマーク付けされます。

MI SQL の最適化

SAP HANA は、JDBC データ ソース プロバイダと同じ非空間関数および演算子をサポートします。

データが Round Earth 座標系にある場合、SAP HANA はすべての機能をサポートしません。データは SAP HANA に WGS84 Planar (SRID 1000004326) として格納することをお勧めします。これにより、Spectrum Spatial が SAP HANA にプッシュできるクエリの数が最大になります。データが Round Earth 座標系にある場合、ジオメトリ結合は次の機能のみをサポートします。

詳細については、付録のデータ ソース プロバイダへの委任を参照してください。

可変性

SAP HANA の場合、列の追加または削除や、列のインデックスの変更など、テーブルのスキーマに対する任意の変更が可変性にあたります。これが変更されている場合、Spectrum Spatial はデータ アクセス操作に進む前に、テーブルのメタデータをキャッシュからフラッシュし、再度読み込みます。詳細については、データ ソースの可変性を参照してください。

XY テーブルのサポート

SAP HANA テーブルは、XY テーブルとしてアクセスできます。XY テーブルのサポート を参照してください。

座標系のサポート

SAP HANA は、追加設定なしで次の 3 つの空間参照系をサポートします。

  • SRID 0 - デフォルトの二次元空間参照系。測地系の概念を持たない、フラットなカルテシアン平面を指します。この座標系で空間列が作成されると、Spatial Server は MAPINFO_MAPCATALOG または名前付きテーブル定義を参照して、実際の座標系を決定します。
  • SRID 4326 (WGS 84) - Round Earth SRS。
  • SRID 1000004326 WGS 84 (二次元) - WGS84 の二次元 SRS バージョン。WGS 84 の 1 つのバージョンで、平面上に存在するかのように座標を計算します。ライン セグメントが曲線ではなく直線で、カルテシアンで距離が計算される点が、WGS 84 と異なります。

他の空間参照系を追加するには、『SAP HANA Spatial Reference』の「4.1: Create Spatial Reference System Statement」のセクションを参照してください。

注: WGS 84 (EPSG:4326) の代わりに WGS 84 Planar (EPSG:1000004326) を使用すると、パフォーマンスが大幅に向上することが性能テストによって確認されています。