ビジュアル モデリングによるモデルの作成と更新

マスター データ管理の Data Hub モジュールは、モデルを作成する複数の方法を提供します。方法の 1 つは、Write to Hub ステージまたは Import to Hub ステージを使用して、入力方向のデータから定義されたエンティティおよび関連性に基づいてモデルを作成することです。

モデルを作成するもう 1 つの方法は、エンティティおよび関連性をツールボックスから手動で追加することで Relationship Analysis Client でビジュアル モデリングを実行することです。最初は、おそらく少なくとも 2 つのタイプのエンティティと少なくとも 1 つのタイプの関連性を定める必要があるでしょうが、その後は同じタイプのエンティティと関連性を使用してモデルを設定することも、エンティティや関連性の追加のタイプを作成することも可能です。 例えば、患者情報で構成された保険データのモデルを作成する場合は、患者の名前を表す "Patient" (患者) というエンティティ タイプと、請求を引き起こした病気または負傷を表す "Claim" (請求) というエンティティ タイプが必要になるでしょう。ただし、保険モデルが患者と医師で構成されている場合は、"Doctor" (医師) という 3 番目のエンティティ タイプが必要になります。患者と医師の間の関連性タイプは "visited" (訪問済み)、患者と請求の間の関連性タイプは "claimed" (請求済み) や "reported" (報告済み) のようになるでしょう。また、"Doctor" (医師) と "Claim" (請求) の間には "diagnosed" (診断済み) という関連性タイプがある可能性もあります。こうしたデータを使用すると、何度も診断を繰り返している医師や、特定の病気または負傷で請求を繰り返している患者がいる場合に不正の可能性があるデータを特定するモデルを構築できます。

Relationship Analysis Client でのビジュアル モデリング方法では、モデルを作成および設定する別の方法として、メタデータの使用によるものがあります。まず、情報タイプをエンティティの形で追加します。そこから、それらのエンティティ間に関連性を追加し、Relationship Analysis Client 内のモデルを完全に設定して、エンティティおよび関連性のプロパティを手動で追加できます。代わりに、入力フィールドをエンティティにマッピングして関連性を定義することで、モデルを設定することもできます。先ほどの例に従って、Relationship Analysis Client で "Patient" (患者)、"Doctor" (医師)、および "Claim" (請求) というエンティティ タイプを作成し、"Insurance Data" (保険データ) という名前でモデルを保存することにしましょう。その後、Enterprise Designer に移動し、Write to Hub ステージへと進む Read From File ステージを持つデータフローを作成します。Read from File ステージを設定して、(特に) "TIN"、"SSN"、および "Dx" というフィールドを含む保険データの入力ファイルを表示することができます。Write to Hub ステージでは、"Model" (モデル) フィールドで "Insurance Data" (保険データ) を選択し、入力フィールド "TIN" をタイプ "Doctor" (医師) に、"SSN" をタイプ "Patient" (患者) に、"Dx" をタイプ "Claim" (請求) にマッピングすることでエンティティを定義します。これらのエンティティの作成後は、それらの間の関連性を定義します。"Patient visited Doctor" (患者が医師を訪問)、"Doctor treated Claim" (医師が請求を処理)、または "Patient reported Claim" (患者が請求を報告) といった関連性を用意できます。すべてのエンティティおよび関連性を定義した後は、Enterprise Designer でジョブを実行して Relationship Analysis Client に戻ると、入力ファイルにあった情報が "Insurance Data" (保険データ) モデルに設定され、先ほど定義したエンティティ間の関連性が表示されているのがわかります。

Relationship Analysis Client ツールボックスを使用すると、モデルを視覚的に作成できるだけでなく、エンティティや関連性を既存のモデルに追加することができます。"Insurance Data" (保険データ) モデルを検討している場合は、エンティティ間に追加の関係性を作成したり、新しいエンティティを作成してモデルに追加し、それらを既存または新規の関連性によって他のエンティティに関連付けたりできます。

モデルを作成したりモデルに要素を追加したりしてビジュアル モデリングを実行すると、モデル内のプロパティを反映するように概要ペイン、モデルの詳細ペイン、モデル コンポーネント ペイン、および選択ペインが適切に更新されます。こうした動的な永続性により、モデルを更新する際には Relationship Analysis Client のツールをリアルタイムで使用できます。

ビジュアル モデリングの詳細については、モデルの作成およびモデルの編集を参照してください。