アーキテクチャに関する検討事項

このセクションでは、カバレッジ ロケータ ソリューション アーキテクチャの移行に伴う検討事項について説明します。

クライアント アプリケーション

カバレッジ ロケータ ソリューションのクライアント部分は、ASP .NET Web フォーム/Ajax クライアントです。

  • 検討項目: クライアント アプリケーションを、ASP.NET Web フォームを使用するそのままの状態にするか、それともこの機会に、Spectrum Spatial Javascript API コントロールによる Open Layer を使用する Web 2.0 Map タイル ベースのアプリケーションにアップグレードするか

Open Layer と Javascript コントロールにアップグレードすれば、マップ表示やナビゲーションが高速になり、応答性の高いユーザ エクスペリエンスが得られます。また、Pitney Bowes StreetPro に基づくベース マップや、Google や Bing マップなどからのベース マップに統合できます。Spectrum Spatial の Map Tiling Service や Map Tiling ジェネレータも利用できるようになります。

Javascript コントロールの詳細については、「JavaScript API を使った操作」を参照してください。

マップ タイリングの詳細については、Map Tilingを参照してください。

API: 地理空間機能に対する SOAP または REST

カバレッジ ロケータは、Envinsa .NET API からジオコーディング、Point In Polygon クエリ、マップ レンダリングを使用します。

  • 検討項目: Spectrum Spatial SOAP および REST API は、同じ地理空間機能を提供するか
Spectrum Spatial は、MapXtreme Java と Envinsa の基本インターフェイスを基に構築されています。Spectrum Spatial では、WS-I 準拠 SOAP インターフェイス、REST インターフェイス、および WMS、WMTS、WFS を含む一連の OGC (Open Geospatial Consortium) インターフェイスの 3 つの API のいずれかに対してアプリケーションを開発できます。Spectrum には、住所検証とジオコーディング用の Universal Addressing モジュールと Enterprise Geocoding モジュールがあります。これらのモジュールは、Envinsa の Location Utility Service の機能を含みます。Spectrum Spatial の SOAP API は、堅牢な Mapping Service と Feature Service を提供します。REST API は、マッピングとフィーチャー検索に加えて、マップ タイリング サービス用の、それよりも小さな操作セットを提供します。

SOAP API は、ASP .NET Web フォーム アーキテクチャで実装するのが最も簡単であるのに対し、REST API は、Spectrum Spatial Javascript API を使用する Javascript ベースの Open Layer で実装するのが最も簡単です。

Spectrum Spatial の SOAP および REST API の詳細については、REST サービスの使用についてを参照してください。

データ、データ アクセスおよび管理

カバレッジ ロケータ ソリューションは、地理的参照用のベース マップと、カバレッジ用のカスタム データを使用します。Envinsa のデータ形式は MDF であり、これを Spectrum Spatial の名前付きリソースに変換する必要があります。

  • 検討項目: Spectrum Spatial において、Point In Polygon カバレッジ品質クエリのためのカバレッジ レイヤ データ ソースにどのようにしてアクセスするか指定された場所とズームでのマップ レンダリングのために、カバレッジ レイヤを含むベース マップにどのようにしてアクセスするか。

Spectrum Spatial におけるデータ アクセスは、Envinsa の場合と同様にデータ プロバイダ モデルを介して行われますが、パフォーマンスの点において 1 世代進化しています。例えば、Spectrum Spatial では、空間機能を持つデータベースに空間処理をプッシュして、クエリを満たすレコードのみを取得することができます。

Spectrum Spatial におけるデータ管理では、Envinsa Content Manager の概念を基盤として Spectrum Spatial リポジトリを構築します。リポジトリには、実際のデータを指す名前付きリソースが含まれます。データ リソースは名前を付けることで、多くの場所から参照できるようになります。アプリケーションまたはデータの外観や動作を変更するには、アプリケーションまたはデータ ファイルごとではなく、リソースのみを変更すればよい。Spatial Manager には、名前付きリソースを作成してそれらをリポジトリに追加する機能に加えて、データ接続を管理する機能があります。これらのリソースへのユーザ アクセスは、Spectrum™ Technology Platform Management Console によって処理されます。

Automation

Envinsa ソリューションにおける住所検証、ジオコーディング、Point In Polygon クエリの処理には、カバレッジ ロケータの実装に固有のコードを手作業で作成する必要がありました。

  • 検討項目: このアプリケーションの、住所検証、ジオコーディング、Point In Polygon クエリ用のビジネス プロセスのワークフローとパフォーマンスを改善することはできるか

Spectrum Spatial Enterprise Designer は、ビジネス プロセスを自動化するためのドラッグアンドドロップ方式のワークフロー設計ツールです。コードをまったく記述することなく、住所検証、ジオコーディング、Point In Polygon のステージを結合し、その処理を Web サービスとして公開することができます。これによって、Envinsa や MapXtreme Java よりもパフォーマンスを向上させることができます。この新しい機能は MapInfo スイートに新たに追加されたもので、組織全体にわたる Location Intelligence のカスタマイズされた使用を考案したいと考えるユーザとアナリストのための製品パラダイム シフトを可能にします。