Spectrum データベースの更新

Spectrum のデータベースには、一部のモジュールがデータの検証や拡張に使用する参照データが含まれています。Spectrum データベースの例としては、Universal Addressing モジュールが使用する郵便データベースや、ジオコーディング モジュールが使用するジオコーディング データベースなどがあります。Spectrum のデータベースは、参照データが最新となるように定期的に更新する必要があります。Spectrum データベースをアップデートする際には、操作に支障が生じないようにアップデートをスムーズに行うことが必要です。

アップデートをスムーズに行うには、どのプロセスが古いデータベースを使用しているかを知る必要があります。どのプロセスが古いデータベースを使用しているかがわかれば、次の操作が可能です。

  • 新しいデータベースを使用するようにプロセスを更新する
  • 新しいデータベースでプロセスをテストして、これまでどおりに期待される結果が得られることを確認する

系統および影響分析ツールは、Spectrum データベースをスムーズにアップデートするために必要な情報を視覚的に提供します。Spectrum データベースを使用するサービスとフローが表示されるので、新しいデータベースを参照するようにそれらを更新し、アップデート後もこれまでどおりに期待される結果が生成されることを確認するためにテストすることができます。

  1. Web ブラウザで、次の場所に移動します。

    http://server:port/metadata-insights

    ここで server は、Spectrum™ Technology Platform サーバーの名前または IP アドレスで、port は HTTP ポートです。デフォルトの HTTP ポートは 8080 です。

  2. [エンティティを選択] ボタン をクリックします。
  3. [Spectrum データベース] をクリックします。
  4. モジュール名の横にあるボタンをクリックすることによってモジュールを選択し、[OK] をクリックします。すると、選択したモジュールに対するすべての Spectrum データベースが表示されます。
    ヒント: モジュール名そのものをクリックすることによっても、そのモジュールで使用される個々のデータベースが表示できますが、まずはモジュールのすべてのデータベースを表示して、そのモジュールで使用されているすべての Spectrum データベースの全体像を把握することをお勧めします。

図が表示され、選択したモジュールの各 Spectrum データベースに依存するエンティティが示されます。

Universal Addressing モジュールを使用して、顧客データベースの中の住所を検証しています。古い郵便データベースを現在使用していて、最新データベースを使用するようにシステムを更新したいと考えているとします。データベースはインストール済みで、それに対する Spectrum データベースを Management Console で定義済みです。ここで、古いデータベースがどこで使用されているかを確認する必要があります。そのデータベースを使用するものすべてを更新し、影響を受けるすべてのプロセスをテストして、新しいデータベースを使用して期待される結果が生成されることを確認するためです。

Metadata Insights を開いて [系統および影響分析] に移動し、エンティティ ブラウザを開きます。[Spectrum のデータベース] をクリックします。Universal Addressing モジュールのすべてのデータベース リソースを表示するために、[Universal Addressing モジュール] の横にあるボタンを選択して [OK] をクリックします。以下の図が表示されます。



図には、2 つの Spectrum データベースがシステム上に存在することが示されています。1 つは古いデータベース (UAM-US-April-2016) で、もう 1 つは Management Console で作成したばかりの新しいデータベース (UAM-US-March-2017) です。2 つのエンティティが古いデータベースを使用しています。CustomAddressService という名前のフローと ValidateCustomerAddresses という名前のフローです。新しいデータベースを使用しているエンティティはありません。

Validate Address のデフォルト サービス オプションを、新しいデータベースを使用するように更新します。図を更新すると、表示は次のようになります。



この図から、Validate Address のデフォルト サービス オプションは新しいデータベース (UAM-US-March-2017) を使用していますが、CustomAddressService フローはまだ古いデータベース (UAM-US-April-2016) を使用していることがわかります。Enterprise Designer で CustomAddressService フローを開き、新しいデータベースを使用するように Validate Address ステージを変更します。図を更新すると、今度は次のように表示されます。



これで、すべてのエンティティが新しいデータを使用することが確認できました。次に、CustomAddressService と ValidateCustomerAddresses をテストして、更新によって結果に悪影響が生じていないことを確認します。系統および影響分析に従ってこのような処理を行うことで、新しい郵便データへの更新がスムーズに行われたことを確認できます。